呼吸器外科
診療内容
呼吸器疾患(肺がん、縦隔腫瘍、胸膜腫瘍、自然気胸、肺気腫、間質性肺炎など)の診断、治療。禁煙外来診療の特色
1. 肺がんの早期発見、診断、治療に力を入れております。治療は手術ばかりではなく、進行度に合った標準的かつ集学的治療を行っております。2. 肺がんや自然気胸、肺良性腫瘍、縦隔腫瘍などに対しては、積極的に胸腔鏡下手術を行っております。
主な検査、医療設備
1. 気管支鏡検査 | 肺がんをはじめとする気管支病変の診断を電子内視鏡で行っております。 |
2. 自家蛍光気管支鏡検査 | 詳細 |
3. 経気管支肺生検(TBLB) | 気管支鏡で直接観察することの出来ない肺の末梢病変の確定診断を得るための検査です。透視のできるX線撮影装置を併用し病巣の組織、細胞を採取します。 |
4. 経皮針肺生検 | TBLBでも検体採取困難な肺の末梢病変に対して、経皮的に細い針を穿刺して細胞を採取する方法です。X線CTを併用することにより、末梢小型肺がんの確定診断を得るのに有用な方法です。 |
5. CT肺がん検診 | 詳細 |
主な疾患
原発性肺がん | 肺がんとは、呼吸をするための重要な臓器(ぞうき)である肺や気管支からできるがんです。 肺がんはがん細胞の形により、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん、小細胞がんの4種類に大きく分けられます。 詳細 |
転移性肺腫瘍 | 転移性肺腫瘍(しゅよう)とは、大腸がんや胃がんなどの原発がんが、肺に転移したものです。大腸がんや,直腸がん、腎臓がん、骨軟部腫瘍、精巣腫瘍など原発がんの種類によっては切除手術の効果が期待できるがんもありますが、胃がん、乳がん、膵臓がん、食道がんなど手術の効果が期待しづらいがんもあります。 |
良性肺腫瘍 | 肺や気管支に発生する良性の腫瘍のことを良性肺腫瘍といいます。 良性肺腫瘍の頻度は低いのですが種類は多く、比較的多いものは過誤腫(かごしゅ)や硬化性血管腫で、他にも脂肪腫、平滑筋腫、軟骨腫などがあります。一般的に無症状で、大きくなる速度も遅く、ほかの臓器に転移することはありませんが、腫瘍ができた部位によっては、せきやたんの原因になったり、肺炎などを起こすこともあります。また、肺がんなどの重大な病気と見分けがつきづらい場合もあり、手術を勧めすることもあります。 |
自然気胸 | 20歳代のやせた男性に多く、肺の一部がのう胞状にふくらみ(ブラ)、そこが破裂して肺から空気がもれて息苦しくなる病気です。この病気は、軽症であれば安静にして様子を見ますが、程度が強い場合は胸腔(胸の内)に細い管を入れて肺からもれた空気を抜きます。但し、約50%の再発の可能性があり、肺から空気がもれ続けたり再発を繰り返す時は手術治療が必要になってきます。 |
巨大肺のう胞 | 巨大肺のう胞(ジャイアントブラ)が胸腔内に存在し、正常な肺を圧迫して、呼吸困難、胸痛等の症状を引き起こします。また、肺がんを合併しやすいので注意が必要です。巨大肺のう胞が胸腔内の1/2以上を占拠するか、呼吸苦や息切れなどの症状がある場合や、巨大肺のう胞の増大を認める時は手術治療を勧めます。 |
縦隔(じゅうかく)腫瘍 | 左右の肺にはさまれ、下は横隔膜、前後は骨で囲まれた部分にできる腫瘍です。胸腺腫(きょうせんしゅ)、神経原性腫瘍、気管支のう胞、心膜のう胞、縦隔内甲状腺腫、奇形腫、悪性リンパ腫などがあります。悪性奇形腫(胚細胞腫)と悪性リンパ腫では化学療法、放射線療法が主体ですが、他の縦隔腫瘍の多くが、手術治療を第1選択にします。 |
胸膜中皮腫 (ちゅうひしゅ) | 肺と胸壁(胸の壁)の内側を覆っている膜を胸膜(きょうまく)といいます。この胸膜をおおっている中皮細胞からできた腫瘍が中皮腫(ちゅうひしゅ)です。良性のものは、限局性(1ヶ所にかたまっている)で命に関わることはまずありません。一方、悪性のものはびまん性(広がっている)で、非常に予後不良であることが多いです。その原因のほとんどは、昨今社会問題にもなっているアスベスト(石綿)ですが、アスベストを吸い込んでから約20~40年たって悪性中皮腫が発生します。中皮腫の診断は難しく、胸腔鏡下生検による組織診断が最も有効であると言われています。悪性胸膜中皮腫の治療には、手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)及び対症療法があります。 |
胸壁腫瘍 | 胸壁は、肋骨(ろっこつ)や肋軟骨(ろくなんこつ)や筋肉などからなり、ここにできた腫瘍を胸壁腫瘍といいます。 良性、悪性さまざまな腫瘍があり、良性のものは骨軟骨腫、線維腫などで、悪性のものは骨肉腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、転移性腫瘍などです。治療は、腫瘍の切除手術および必要に応じて胸壁を切除し、さらに胸壁の再建手術を行います。 |