病院のご案内

お問い合わせフォーム

夜間休日救急診療のご案内
相談事はこちらへ
交通アクセス
 

病院のご案内

薫風 VOL.3 内視鏡的治療について

  

 
はじめに・・・
 内視鏡的治療は、内視鏡やその周囲機器の改良発達と学問の進歩により、1980年以後、急速に普及してきました。さらに、1990年以後は内視鏡下手術(腹腔鏡、胸腔鏡手術)が導入され、消化器疾患に対する治療方法の幅が広がってきています。本院においても、日常の診療で重要な位置を占めており、実際に我々が行っているものを紹介したいと思います。

 
内視鏡的止血法
 吐・下血や血便を主訴とする消化管出血は、臨床でしばしば遭遇する病態で、緊急の対応を必要とする事もまれではありません。緊急内視鏡施行により、出血源を確認し、止血を行います。止血法には、クリップ法、純エタノール局注法、HSE(Hypertonic Saline Epinephrine)局注法、ヒータープローブ(熱凝固)法、APC(Argon plasma coagulation)法など、種久の方法を用いて止血します。

 
食道・胃静脈瘤
 肝硬変などの門脈圧亢症に伴う食道・胃静脈瘤に対する治療は、手術治療から内視鏡的治療へと、その主体が変わりました。緊急例における出血死回避、特機例における再出血予防、予防的例における出血予防を目的として行います。内視鏡的硬化療法(Endoscopic injection sclerotherrapy:EIS)、内視鏡的静脈瘤血紮術(Endoscopic variceal ligation:EVL)、APC、ヒストアクリル(組織接着剤)などを併用して行っています。

 
胃・大腸ポリペクトミー
 胃・大腸のポリープに対して、スネアをかけ、高周波電流で組織を切開・凝固しながら、ポリープを切除し、回収するものです。ポリペクトミーの適応は、肉眼型、組織型、大きさにより決定しています。ポリープの茎部が20mm以上の場合は、粘膜下に生理食塩水を注入して病変を隆起させた後、高周波電流にて切除する内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic Mucosal Resection:EMR)を行っています。

 
食道癌・胃癌
 ヨード染色を併用した色素内視鏡の普及により、多数の食道粘膜癌が発見され、外科切除治療が行われました。この結果、病理組織学的特徴が明らかになり、癌浸潤が粘膜固有層までに止まる癌は、局所治療にて根治可能な事が判明しました。これらの結果を踏まえ、1988年よりMERを早期食道癌に対して行っています。また、早期胃癌に対しても適応を決め、行っています。治療手技は2チャンネル法、チューブ法、キャップ法があります。また、病変の大きさにより分割切除となる場合は、一括切除を目的とした内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic submusosal dissection:ESD)を行っています。デバイスとしてITナイフ、Hookingナイフなどを使用しています。

 
消化管狭窄解除
 消化管手術後の吻合部良性狭窄に対してブジー拡張術、バルーン拡張術を施行し、食事を通りやすくしています。また、食道癌の癌性狭窄の場合は、カバードステントを挿入により食事が通るようにしています。
 大腸癌による腸閉塞状態の場合には、大腸ファイバーを用いてイレウス管を経肛門的に挿入し、減圧をはかり腸閉塞状態を緩和しています。
 
 
内視鏡的胃瘻造設術(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy:PEG)
 PEGの適応病態は、必要な栄養を経口摂取できない状態が1ヶ月以上見込まれる場合です。実際には脳血管障害の患者さんが多くを占めていますが、小児の先天性疾患にも用いられる事があり、また消化管の減圧の目的に行う事もあります。

 
総胆管結石
 1969年以降、内視鏡的逆行性膵胆管造影法(Endoscopic retrograde cholangiopancreatography:ERCP)が臨床的に胆膵領域の検査手段の一つとして一般的に用いられるようになり、、1973年頃より、ERCPを応用した内視鏡的乳頭切開術(Endoscopic Sphincterotomy:EST)が開発されました。当初は遺残再発の総胆管結石のみにESTの適応が限定されていましたが、技術の向上と腹腔鏡下胆嚢摘出術の普及により適応が広がっています。また、内視鏡的乳頭バルーン拡張術(Endoscopic Papillary Balloon Dilation:EPBD)も施行し、結石除去を行っています。乳頭を通過し得ない巨大結石には、機械式破石器(Mechanical LithotriPtor:ML)にて石を細かくし、除去しています。

 
内視鏡的胆管ドレナージ(Endoscopic Biliary Drainage:EBD)
 根治手術不能な膵癌、胆管癌、胆嚢癌、リンパ節転移などによる胆管狭窄で、閉塞性黄疸を来たしている症例に対して行われます。胆管の狭窄部にドレナージチューブ(ステント)を留置する事により、胆汁の流路を確保し、黄疸を軽減します。

 
膵石を伴う慢性膵炎
 体外衝撃波結石破砕療法(Extracorporeal Shockwave Lithotripsy:ESWL)は、腎結石、尿管結石、胆石の治療に対して行われますが、膵石の破砕にも有効です。これにERCP、ESTを併用する事で、膵石の除去が高率に可能です。適応としては、腹痛や膵炎などを繰り返す膵石を伴う慢性膵炎です。


 以上、内視鏡的治療について紹介しましたが、消化管(食道、胃、十二指腸、大腸)、胆道系、膵臓と、対象は広範囲で治療の種類も多岐にわたります。関連する病気でお困りの事がありましたら、外科、消化器外科外来へご相談ください。